Chitchies

14歳のパグ犬チッチと5●歳飼い主夫婦の、ドジでおまぬけな毎日。

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

おもひでぽろぽろ

年に一度はどこかしら怪我をする。
一昨年は手のひらを切って5針縫った。
去年は、チッチと散歩中転んで、ジーンズを破った。
そして、おととい・・・

朝の出勤時間。
いつもどおり家を出た。
雨が降っていないから、よし、チャリで行くか、とチャリンコを門から出す。
燃えるゴミの日だったので、片手に大きなゴミ袋を提げ、ヨロヨロしながら自転車にまたがり、ゴミ置き場へのゆるい坂道。
ちょっと勢いがついた。
なんか、嫌な予感がした。その予感に反応してチャリを降りれば良かったのに、「あっ!」と思った次の瞬間には、ズルリと横滑りし、チャリンコは左の植え込みに突っ込み、私は横っ飛びになった形でチャリから投げ出された。
勢いがついているから、バーンと地面に落ちた時、ひざ小僧が地面にず・・ず・・・ずとこすり付けられるのがわかった。

カゴに乗っていたバッグからは、折りたたみ傘やら、定期入れやらが飛び出し、チャリンコは倒れて車輪がカラカラ回っている。

いって~

人間、不思議なもので、誰も周りにいないのに、妙に恥ずかしく、何事もなかったように振舞おうとする。
あらら、大変、転んじゃったわ、会社に遅れちゃう、さ、荷物を拾って、あ、そうかゴミゴミ・・・・
唯一、無傷だったゴミ袋を、とりあえずゴミ置き場に持っていこうと歩き出す。
自分では普通に歩いているはずなのだが、なんだか身体がついて来ない。

ああああ~、痛いよ~

みると、ストッキングは跡形もなく破れ、ヒザはドロドロ。
赤黒い血が滲み出している。

ゴミ置き場から戻ってきたご近所の奥さんが
「あら?どうしたの?」と声をかけてくださった。
急に、しどろもどろになり
「あ、いや、今そこで転んじゃって・・・」
ゴミを出そうという気持ちはいいのだが、チャリンコが植え込みに突っ込んだままになっている。
「まあ、大変!」
奥さんに心配されれば、されるほど、パニックになっていく。
「だ・・・大丈夫です、すみません

こりゃだめだ、いったん家に戻ろう。

カギを開けて家に入ると、チッチはまだ、出がけにあげた、オヤツ詰めのコングと格闘中で出てこない
風呂場に行き、泥だらけの足を洗う。右ヒザが血で真っ赤だ。
ああ、早くなんとかしないと、会社に遅刻しちゃうよ。

普段から早めに出社する習慣になっているので、いそげばまだ間に合う時間だ。
そう思うと、余計に気が焦るのだが、血がとまらない、ズキズキ痛みだした。
ぶっとい足を見つめて、どうしてよいかわからない。

情けないが、ほんと、私は逆境というか、土壇場に弱い。
とりあえず、主人の携帯に電話してみるが、主人も出勤途中で出るはずもない。

コングの中身を食べ終わったチッチが、水音がするので、チャカチャカやってきて、私の姿を見て不思議そうにしている。
「あれえ?かあたん、なんでまだいるの~??」
「チッチ~、今ねえ、そこで転んじゃったんだよ~、痛いよう・・・」
声を出して、チッチに話しかけているうちに、少し落ち着いてきた。

傷口を良く洗って、ティッシュで押さえ、ソファに座った。
ちょっとした擦り傷なら、ガーゼでも貼って置けば・・・

ちょっとどころでない・・・ひいい~っ(-_-;)
呆然と座ったまま、時計の針を見ている。
10分・・・15分・・・

やっと主人から電話がかかってきた。
「これこれこうなんだけど、どうしよう?」
「しょうがないだろ、会社に連絡して休めよ!」
あ、そうか、休めばいいんだ。
主人に言われるまで、とにかく血を止めることしか考えていなかった。
会社ってとこは、連絡をすれば、休んでもよかったんだ。

まじめなんだか、バカなんだか・・・

結局病院に行き、消毒し、薬を塗ってもらって、丁寧に包帯まで巻いてもらった。
たかが転んだだけなのに・・・と思うと、恥ずかしい。

その日の夜からは、自分でガーゼを買ってきて、マキ○ンで消毒していた。
たいしたことない、すぐ治る、すぐ治る。とタカをくくっていたら、2日経った今朝になってまた、今度は足が曲がらないくらい痛い。

痛いよう~

おととい行った医者は地元なので、会社を早退でもしなければ行かれない。
我慢できなくなって、昼休み、会社のそばの医者に行って見た。
「木曜日休診」あれれ・・・
とぼとぼと会社に戻るべく歩いていると、電信柱に「○○医院。外科・整形外科」とある。
電話番号もあったので、思い切ってかけてみた。

かなり年配の、男性の声。
「はいはい、午前中は1時までやってるよ、今どこからかけてるの?ああ、○○町ね。すぐだから。○○通りまで出て、右にまっすぐ来ると大通りがあるから、そこ渡って・・・「とらのこ」って和菓子屋の角まがって4件目!!」
「あの、結構遠いのでしょうか??」
「なに言ってんの、大丈夫、すぐだから、診てあげるから、ちゃんと来なさいよ!」

言われたまま、歩き出す。
なるほど、「トラノコ」だ・・・4軒目・・4軒目・・・
小さな木の扉。開けると、まるで昭和初期の診療所のような佇まいだ。
ひび割れたスリッパ、きしむ木の床

まるで、ジブリのアニメの世界なのだ。

すみませーん、と入っていくと、白衣を着たおばあさんが出てきた。
奥から医者らしい、大きな声がする。

他に待つ人もいないので、すぐに通された。
「ああ、あんた、さっきの電話の子か!!」
なんと、電話の主は、先生その人だったのだ。

ガーゼをはがして見せると
「なんで、こんなにしちゃったの?こりゃ痛いでしょう?」
「自分でかまっちゃったんじゃないの?」
「熱は?ないの?黴菌が入ったんじゃないの?こんなにしちゃって、擦り傷をバカにしちゃだめだよ、破傷風になったら生死にかかわるんだよ?」

大きな声でお説教である。
いい年して、転んで擦りむいた膝小僧の傷を見せながら、医者に説教をくらっている。
でも、頭の片隅で、子供の頃に帰ったような、とても懐古的な気持ちになっていた。
お医者の机は、大きな木の机。
先生の高そうな万年筆、ブルーブラックのインクから出るドイツ語の走り書き。
窓の摺りガラスから洩れてくる真夏の日差し

先生が大きな声で私をしかりつけると、おばあちゃん看護士さんが、そっとフォローしてくれる。
長年のあ・うんの呼吸だ。

私は、この医者がとても気に入ってしまった。
痛くて曲がらなかったヒザも、消毒薬をジュッっと塗ってもらったら、あら不思議、すっと痛みがひいて来た。
「このガーゼをね、勝手に開いて見ちゃだめだよ!そうやって、シロウトがかまうのが一番良くないんだから」
「っは・・ハイ」
「明日も来れたら消毒しに来なさいよ診療時間内にね」
診療時間を印刷した紙をくれる
「は・・ハイ」

40にもなって、もう中年といわれる歳になった最近は、こんな風に頭ごなしに叱られることもない。
ガーゼに油紙、真白いネット
ああ、こうやって、叱ってくれるのって、いいものだな。

おもひで・・ぽろぽろ
スポンサーサイト

| ぼやき日記 | 22:46 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://usagi158.blog102.fc2.com/tb.php/591-ef86ffe6

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT